【レビュー】光のとこにいてね・一穂ミチ先生の美しい世界観に圧倒される時間

元本屋の娘、活字中毒な私が

読んだ本を勝手にレビューするページです⭐️

第168回直木賞候補作、2023年本屋大賞ノミネートとなり話題となった一冊。

(出版社:文藝春秋)

家庭環境も、性格も、何もかもが違う二人のが出逢い、別れ、傷つけ合い、そして求め合う。四半世紀をかけて運命と愛に迷う、少女たちの物語。

ここからは私の好き勝手な感想です。

この本の中に描かれている愛に関して、美しいと思うし、とても深くて純粋なものだな、と感じます。それでいて、とても、狂気的。

タイトルであり、物語のキーワードとなっている「光」の意味も、最後まで読むととてもしっくりときます。伏線回収がとても自然で、腑に落ちる。

そしてとにかく、どこをとっても、文章がとても綺麗です。読み進めるたびに、その情景がありありと浮かんできます。これは、映像化するのではないかなぁと勝手に思っています。アニメ化もあるかな・・・。

実は結末の方で、私の中でどうしても引っかかる価値観のようなものが出てくるのですが、(子どもについての価値観です)自分と違う価値観を知ることも、そうやって違う価値観に触れて違和感や嫌悪感を感じることも人生においてとても重要なことだと思っているので、いい経験になりました。きちんと最後の文章まで読むことができてよかったと思っています。今後、私の人生をかけて消化していきたい問題です。言語化が難しくセンシティブな問題なため、明言せずすみません。

とにかく、一穂ミチ先生の情景を表現する力に圧倒され続けました。その情景を想像すると、主人公たちの気持ちや人生までも浮かび上がってきて、私の心の深い部分までを揺さぶられました。とても美しく、切なく、考えさせられる作品です。出会えて幸せです。

一穂ミチ先生の他の作品も近々拝読したいと思っています。(^^)

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